夜。

2002年9月29日
冷たい秋雨が降りしきる中、車で駅前のコンビニへ。
ウチから近いのは国道沿いのほうなんだけど
わざわざ駅前まで車を走らせた。

それは、少しでもSの傍に居たかったから。
 
 
店内に入る時、僅かばかり雨に濡れてしまって
一気に体温が下がっていってる気がして
温かいコーヒーと雑誌を買って、車内で暖を取る。
フロントガラスから見えるのは、Sの住むマンション。
少し熱いコーヒーが喉を通過していくのが妙にはっきりと解かって
何故か、涙が出た。

コンビニに向かう途中、見かけてしまったSの車。
きっとSは、彼女と一緒に暖かい部屋の中に居るんだろう。
部屋の電気を点けて、あの柔らかなソファーに座って。
そう考えるだけで、次々と涙が溢れる。
水滴は雑誌に歪みを作り、ジーンズに吸い込まれていった。

声を上げて泣いても、夜の冷たい雨にかき消されていく。
私の思いも、声も、涙も、Sに届くことはもうないのだと
改めて思い知らされた気がした。
 
 
 
冷たい雨は止むことを知らない。
私の涙を最初からなかったものの様に流していく。
 
 
 
その晩、私は初めて、秋雨を恨んだ。

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